ARTWORK/WORK OF ART
90pt:Scandinavian AOR like “TOTO”
これまでWORK OF ARTのアルバムについて感想をまとめてきたが、ラストはデビュー作とある1stアルバム「ARTWORK」。
この1stは確かB!誌では80点前半だったと記憶しているが、ネットでの評判が良く、YoutubeでM1「Why Do I?」を聴いて気に入って購入を決めたアルバムであった。この頃からYoutubeで音源を聴いてから購入という流れが出来てきたように思う。今ではよっぽど琴線に触れないとサブスクに頼ってしまうのは熱が冷めてきたのか時代に順応しているのか…。いずれにせよ、寒い時代とは思わんか?(@ワッケイン)
さて、このアルバムはやはり「Why Do I?」に尽きると思う。強力なハードポップであることはもちろんのこと、Keyの入れ方が絶妙である。それが北欧のバンドらしい冷たい情感を与え、キャッチーな歌メロが乗ることで極上のサウンドが形成される。これぞまさしくWork of art。
結成からデビューまで15年近く要していることから十分に練り上げた楽曲群によってアルバム自体も1stアルバムとは思えない完成度であり、ネットでの高評価を受けたのも当然である。前年のデモテープからよく発掘したなと感心する次第。
個人的には出だしの「Why Do I?」からM7「Once In A Lifetime」までの流れが好みであり、「Why Do I?」でガツンと決め、M2「Maria」、M3「Camelia」でTOTOよろしく女性名の透明感溢れる曲で方向性を示し、M4「Her Only Lie」、M5「Too Late」でメロハーに揺り戻した後にM6「Whenever U Sleep」、M7「Once In A Lifetime」のメロウサイドでしっとり聴かせると。う~ん、気持ち良い。
M8「Piece Of Mind」で爽快感のあるアップテンポで後半に入るが、これ以降はソフトランディングするようにゆっくりテンションが落ちていく印象。もっとガツンガツンやってくれたほうが好みだが、以降のアルバムでも終盤に向けてテンションが下がっていく傾向にあるので、バンドの好みなのだろう。
本人たちも公言しているようにTOTOへの影響は大きく、前述したようにKeyの入れ方やバックコーラスの使い方はTOTOっぽさを際立たせている。ただ自分としてはアルバムを聴いた後に初めてTOTOのベストを聴いたのだが、TOTOほど多様性を表現しておらず、良くも悪くもストレートなAORである。またメロハーと言えるほどハードでもない。このさじ加減もTOTOっぽいのだろう。
今思うとキャッチーなメロディックロックに目を向けさせてくれたアルバムであるし、このアルバムがなければ少なくともTOTOは聴いていなかったと思う。このジャンルはレジェンド以外にも現役に良いバンドがいることを知らしめてくれた点において思い入れのある名盤。
Songs Rating
1 Why Do I? ★★★★★
2 Maria ★★★
3 Camelia ★★
4 Her Only Lie ★★
5 Too Late ★★
6 Whenever U Sleep ★★★
7 Once In A Lifetime ★★★
8 Piece Of Mind ★★
9 Lost Without Your Love ★★
10 Like No Other ★
11 Cover Me ★★
12 One Hour ★
13 Camelia (Acoustic Version) ★★