…AND JUSTICE FOR ALL / METALLICA

3月 9, 2020

89pt:Songs and sounds without Cliff

ファーストレビューは初めて買ったコレ!

当時洋楽に興味を持ち始めていた私が、従兄に教えてもらった”メタリカ”なるものを探しにCD屋に行き購入したのが”メタルジャスティス”。

この時は何も考えずジャケ買いしたのだけれども、今考えるとこれが「LOAD」じゃなくてよかったなと。きっと違う音楽人生を歩んでいたのだろう。

ただ、初洋楽メタルアルバムにしてはハードルが高かったと思う。今でこそ変拍子を多用した複雑な展開の曲が多いアルバムと言ってしまえるのだが、当時XやMR.BIGのようにキャッチーかつ激しい音楽をへヴィメタルだと思っていた小僧には難解すぎた。

加えて初聴でも気になるほどのクセのある音質である。ベースは聴こえないわスネアの音は軽いわ。そのくせ音の密度は高く、閉塞感を感じるサウンドは正直今でも苦手。とはいえ当時は何も知らなかったし、これがへヴィメタルなんだと思ってたな。

もちろんこのアルバムが特殊だということに後々気づくのだけども…。

楽曲に目を向ければ1,9のスピードナンバーとリーダートラックの4に耳がいくのは仕方のないことだろう。難解な楽曲が並ぶ中でわかりやすいトラックは正義ですわ!またMETALLICAの作品群を聴いた後では3や5などは次の「METALLICA」への流れを感じさせるへヴィなナンバーである。一方で長尺のナンバーは練り込み不足だと感じざるを得ない。8とかね、8とか8とか。

それを考えると、プレイヤーとしてはもちろんアレンジャーとしてCliff Burton(Ba)の存在がバンドにとって如何に大きいものであったかを実感させられる。上でネチネチ言ってる8も4:30以降の展開は2nd,3rdにあって4thに足りないものと言えるだろう。Cliffが作曲したのはここからだな、きっと。

と、上で散々文句を述べたけれども結構好きなんです、このアルバム。ベースが聴こえなくても十分へヴィであり、バンドの危機とも言える状況でここまでのアルバムを作れたことは評価すべきだと思う。またこのアルバムがなければ90年代以降のビッグバンドとしてのMETALLICAはなかっただろう。

「MASTER OF PUPPETS」と「METALLICA」を繋ぐこのアルバム、賛否はあれどもう少し評価されてもいいはず。

Songs Rating
1 Blackened ★★★★
2 …And Justice For All ★★
3 Eye Of The Beholder ★★
4 One ★★★★
5 The Shortest Straw ★★
6 Harvester Of Sorrow ★
7 The Frayed End Of Sanity ☆
8 To Live Is To Die ★★
9 Dyers Eve ★★★★★

ボーナストラックのThe Princeには触れてませんが、METALLICAのカバーの中では個人的No.1です。