BON JOVI/BON JOVI
90pt: Most suitable US Melodious HR for Japanese

映画「Bohemian Rhapsody」の影響もあり若い世代にもQUEENが浸透したが、ひと昔前の洋楽ロックバンドと言えばBON JOVIである。って、そこの同意したあなた!10代どころか20代でももうBON JOVIなんて知りませんよ!!
残念ながら日本での認知度も下がってきたBON JOVIだが、デビュー時にいち早くその才能を認めたのが日本であるというのは有名な話。その日本で好評を得た1stアルバムについてレビューしたい。
BON JOVIと言えばアリーナロックのイメージが強いが、1stアルバムではまだ洗練されておらず全体的にマイナー臭が漂う。もちろんそれが悪いのではなく、今のBON JOVIには欠けている(ほどよい)ハードさや北欧っぽさを感じる叙情的なメロディに満ちている。特にその叙情的なメロディはこれまでのアメリカのバンドにはなかなか見受けられないものであり、日本人にウケたのもその点ではなかろうか。
そんなハードロックのエッジを残している1stアルバムだが、何はともあれM1:Runawayである!
キーボードによるイントロが印象的だが、アメリカのバンドらしからぬ哀愁漂うメロディやギターソロもよく、カッコよさが際立つ名曲である。惜しいなと思うのがこの曲だけ演奏陣が異なりスタジオミュージシャンである。自分はドラムがTico Torres(Dr)っぽくないということから調べて知りました。Richie Sambora(Gt)のギターがいいよね、なんて言っていた自分が恥ずかしい…。
もちろんM1だけではなく、その他の曲も粒揃い。M3:She Don’t Know Meはカバー曲ながら、David Bryan(Key)のキーボードが映えるポップソング。どこかALCATRAZZの「Island In The Sun」を想起させる。
M4:Shot Through The HeartやM7:Burning For Loveは心地良く疾走する哀愁のハードロック。M4のタイトルは後の超名曲「You Give Love A Bad Name」にも使用されており、John Bon Jovi(Vo)のお気に入りのフレーズなんだろうな。
M2:RouletteやM6:Breakoutはミドルテンポだが、3rd以降のアリーナロックっぽさと当時流行していたLAメタルの良いところが合わさっている。1stアルバムのメロディは個人的にPRETTY MAIDSに近い質感だと思う。
またいくつもの名バラードを持つBON JOVIだが、M5:Love Liesはそれらと異なり哀愁強め。Johnの若さ溢れる熱唱も新鮮。
これで最後も良ければ全て良しなのだが、M9:Get Readyは如何にも「アメリカン」なロックで弱く感じる。まぁBON JOVIのアルバムはだいたい尻すぼみがちなので爽快に終わってくれる分まだ良いほうである。
とは言え、1stがUSメロディアスハードの名盤であることは疑いようがなく、これでルックスもA級なのだから売れるのも当然か。ブレイク後のBON JOVIしか知らない方にはぜひとも聴いてもらいたい1枚。
Songs Rating
1 Runaway ★★★★★
2 Roulette ★★
3 She Don’t Know Me ★★★
4 Shot Through The Heart ★★★
5 Love Lies ★★
6 Breakout ★★
7 Burning For Love ★★★
8 Come Back ★★
9 Get Ready ★