KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 1/HELLOWEEN

87pt:Big gap between KEEPER PART 2

AND JUSTICE FOR ALL…を聴いてへヴィメタルの入口を通過した私は次にどのバンドを聴くべきか悩んでいた。当初迷っていたのはMETALLICAと切っても切れない関係であるMEGADEATH、METALLICAよりも速いらしいSLAYERなどスラッシュメタル勢の面々。

その状況でHELLOWEENに決めたのは本屋で読んだムックであった。ジャーマンメタルというジャンルがあり、スピードナンバーにキャッチーなメロディーをのせた楽曲を特徴とする、といったような文言から、これはXの海外版だ!と思ったのだ。
(当時速い音楽を求めていたきっかけはXであり、HELLOWEENにたどり着くのは当然の帰結とも言える。)

またそのムックには「守護神伝」というアルバムがHELLOWEENの代表作と記されていたため、さっそく本屋の2階にあったCD屋に飛び込み購入したのが所謂「守護神伝パート1」であった。

再生ボタンを押して始まったM1のインストは短いながらも名盤の展開を期待させ、それに続くM2のイントロが流れた時にはおおーっ、これだよこれっ!と高揚したのを今でも覚えている。ギターソロはメロパワ・メロスピ界でも上位に位置する珠玉の一品でしょう。

ただM3,M6の(良く言えば)遊び心を感じるSEやM5の演歌調バラードなどが肌に合わなかったためか、イマイチのめり込めなかったのが正直なところであった。

また当時はハイトーンボーカルが苦手だったのだと思う。今でこそMichael Kiskeは個人的Best3に入るほど好きなVocalだが、この時点で弱冠19歳であったMichael Kiskeのハイトーンは強烈でもあると同時に勢いあまって素っ頓狂に聴こえることがあった。「KEEPER PART 2」を聴いたのは「KEEPER PART 1」購入してから数年後であったが、この時にはハイトーンボーカルにも慣れてKiskeも安定感が出てきたこともあり素直に受け入れることができた。

楽曲面からみると、「KEEPER PART 2」の珠玉の名曲達と比較するとどうしても「KEEPER PART 1」の楽曲はやや弱さを感じさせる。と言ってもHELLOWEENの全楽曲と比較すれば全曲水準以上であるのだから、名盤であることは疑いない。「KEEPER PART 2」が凄すぎるんだな、結局。

一方でM7は「KEEPER PART 2」の大作「Keeper Of The Seven Keys」よりも緊張感があって好きである。13分以上もありながら曲展開がスムーズで無駄がない。また9分半以降のギターソロは当然ながら、アウトロのギターソロも素晴らしい。この辺りのセンスはKai Hansenのほうが優れているな。しかしながら、どちらの大作が好きは好みだろう。

KEEPER PART 1は名盤だが、後追いで「守護神伝パート1」から聴いた者として思うことは、後追いで聴くなら先にPART 2を聴いたほうがHELLOWEENのイメージがしっかり掴める、ということである。
「Eagle Fly Free」にまで3年かかった者より。

Songs Rating
1 Initiation ★
2 I’m Alive ★★★★★
3 A Little Time ★
4 Twilight Of The Gods ★★★
5 A Tale That Wasn’t Right ★
6 Future World ★★★
7 Halloween ★★★★
8 Follow The Sign ☆